GRYPHON-012
chicago
16 february,1985
- highway star
- nobody's home
- strange kind of woman
- blues - a gypsy's kiss
- perfect strangers
- under the gun
- lazy
- child in time
- knocking at your back door
年があけて、大規模なアメリカツアーが1月18日からスタートします。このツアーの成果か、ニューアルバム" perfect strangers"は、チャートアクションこそ17位と地味でしたがロングセラーとなり、deep purple健在を見せつけています。ビデオクリップが作られたタイトルトラックは、今だにアメリカでは根強い人気があるようです。
アメリカツアー終了後、5月の日本公演、その後のヨーロッパツアー、8月にはまたアメリカをツアーするなどと、第2期を思わせるようなツアーの連続に明け暮れます。この年のライヴ音源でオフィシャルでリリースされているものに、6月22日に行なわれたネブワース・フェスティヴァルのライヴ盤、" knebworth '85"があります。 deep purpleのこの年唯一のイギリス公演で、BBCが収録して放送したものです。これをエア・チェックしたライヴCDも出回っていますが、ここでは取り上げませんでした。
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GRYPHON-012 chicago |
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アメリカツアー序盤、2月16日のシカゴでのステージを収録した音源です。この1985年のツアーも、出回っているライヴCDのほとんどが、アナログ盤のコピーで、あまり質がよくありませんが、これはCDで初めて登場した音源です。オーディエンス録音だとすれば上級の録音ですが、おそらくサウンド・ボード・テープではないかと思います。歓声の入り具合がオーディエンス録音っぽくないです。しかし、ライン録音として上質かというとそんな事はなく、歪みやノイズが多く、聴きにくいです。質の悪いAMソースという感じが一番近いかな。
アメリカツアーがスタートして2週間、早くもギランの声はがらがらです。演奏自体は安定していて、そんなに酷い演奏ではありませんが、ぬきんでたものが少ないのも事実です。曲によってメンバーの張り切る曲とそうでない曲がはっきりとわかれ、一つのコンサートとして名演奏となるステージではありません。まあまあ無難にこなしているといったところでしょう。
このCDではコンサートの中途までの収録ですが、出回っているテープでは110分に渡ってコンプリート収録されているようです。ひょっとしたらCD-Rで出回っているかもしれませんが、未確認です。
 BLUE SKY 95003 ohio |
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ジャケットのクレジットでは3月11日デトロイトでのライヴとなっていますが、これは間違いというのが定説のようで、2月21日のオハイオ、リッチフィールド・コロシアムでのライヴというのが正しいようです。同名のアナログ盤のコピーで、1984年の" reborn"をだしたところと同一のメーカーです。ジャケットには" under the gun"がクレジットされていますが、ご覧のとおり、収録されていません。まあまあのバランス、音質のオーディエンス録音ですが、若干に音に濁りがあります。また、何曲かでフェイド・アウトがあります。
演奏はこの時期の典型的な雰囲気で、特に取り上げるようなこともありませんが、この日のイアンはかなり調子が良く、安心して聴けます。コンプリートのテープがあったら聴いてみたいものですが、この日のテープソースがどのくらいの長さなのか、未確認です。前日の同会場でのステージについては110分程度のものが出回っているようです。
 KR-007/008 providence |
disc 1
disc 2
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これも、アナログ盤のコピーです。2枚組ですが、通常のダブルジャケットやスリムケースではなく、1枚づつ別々のケースに入れられています。音質は、まあまあのオーディエンスですが多少濁っており、マイクの位置が動くのか、こもり気味になったりヌケが良くなったり、音ムラが結構あります。あと、" highway star"は2コーラス目がカットされています。このプロヴィデンスではビデオシューティングが行なわれたようで、ここから" nobody's home"が、ビデオクリップとして公開されています。
最初の方はギターがオフ気味ですが、2曲目あたりからはまあまあのバランスで聴くことが出来ます。ギランの調子がいま一つですが、ビデオカメラが入っているせいか、かなり充実した演奏を展開しています。" a gypsy's kiss"の頭で演奏されるブルーズも、いつもとはちょっと違うフレーズで入ったりして、楽しませてくれます。
 DE-038/39 detroit |
disc 1
disc 2
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3月11日にデトロイトで行なわれたステージを収録したとされるCDです。わりとヌケは良いオーディエンス録音で収録されており、聴きやすいテープですが、音像がやや遠く、固まってしまっているのと、ところどころでテープのヨレ、若くはマイクを隠した事による音像のブレが、やや気になる音源です。しかし、現在出回っているアメリカ・ツアーのCDの中では、一番聴きやすい音源となっています。
この頃の deep purpleのツアーは、3日から4日の連続でコンサートをやって、3日間くらいのインターバルを置いて、またコンサートを行なうという感じで進められていたようです。このCDの音源が録音された頃は、アメリカツアーも中盤にさしかかってきて、だいぶ疲労もたまってくる頃ではあると思われます。この日はインターバル明けの初日であり、わりとインプロヴァイズ・パートでも面白いプレイが聴けます。" strange kind of woman"でのコール & レスポンスは聞き物でしょう。
 N-034-37 disc 1 & 2 : osaka disc 3 & 4 : osaka disc 2-5,6 : nagoya |
disc 1
disc 2
disc 3
disc 4
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アメリカツアーを終えて、いよいよ5月には日本に上陸します。これは日本公演初日、2日目の大阪公演を収録したものです。缶ペンケースのようなパッケージになっています。9日のほうはアナログ盤" revisit in far east"で出回っていて、同名のコピーCDも出回っていますが、8日は初登場音源です。日本公演は、この他に最終日、武道館公演がアナログでリリースされていました。
初日の8日は、ステージがかなり遠い感じのオーディエンスです。バランスはあまり良くなく、ヴォーカルがやたらと全面に出て来ます。テープに基因するのか、ガリガリ、ジージーとノイズが入ります。東京初日で、同じ様なノイズがPAで入り、この時は2曲目のあと10分程度の中断がありました。この時は" child in time"を、ギターソロまでしかプレイせず、そのあとのギランのボーカルをカットしてしまいました。この8日の音源で聴かれるノイズも、ひょっとしたら同じPAトラブルかも知れません。
ギランの調子はなかなか良く、きれいに声が出ています。再結成後は、" child in time"の最高音域は、ジョン・ロードの助けを借りていたギランですが、トーンは相変わらず素晴しい物を持っていると思います。ただ、調子の悪い日が多すぎる感じがしますが……
全体的な演奏は、かなりツアーを重ねてきてこなれてきており、タイトにまとまっている感じです。ですが、リッチーにとってはあまりいい印象はないようで、音の感じがいま一つだったようです。そのせいでしょうか、この日はアンコールも1曲だけで終わります。
8日のほうに収録されているボーナストラックは、日本ツアー中盤の名古屋公演からの音源です。音質は、8日よりも若干いい感じです。この日の音源をコンプリート収録した物は、アナログ、CD共にありません。アメリカツアーからやり始めた" woman from tokyo"も ( 次項" parlez-vous purple"参照 )、この頃にはフルヴァージョンで演奏されるようになってきました。この曲はフルヴァージョンで演奏されることは少ないので、貴重なテイクではあります。
9日の音源は、前述のとおりアナログ時代から出回っていましたが、別音源でのリリースです。8日と比べるとかなり状態の良いオーディエンス録音です。ノイズもなく、大変クリアーで、バランスもなかなかです。最近のDAT録音と比べれば見劣りはしますが、当時としては優秀録音でしょう。メンバーの調子も良く、前日よりも演奏は充実している感じです。前日は1曲しかやらなかったアンコールも、この日は3曲演奏しています。" woman from tokyo"では、このCDのタイトルにもなっている通り、"woman from osaka"と歌っています。
no number Osaka |
disc 1
disc 2
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上記" woman from osaka"にも含まれていた5月9日の大阪公演を収録していたアナログ盤をコピーしたCDです。Ritchie's Boxの一枚としてリリースされ、バラでも入手可能でした。
" woman from osaka"とは別音源です。スクラッチ・ノイズがやや目立ちますが、録音そのものは" woman from osaka"収録の音源と比べても、見劣りしない音質です。ギターやボーカルの臨場感はこちらのほうがやや優れていると思います。アナログ起こしである事を十分に認識した上で聴くのであれば、この日の演奏はこのCDで聴くのも良いかもしれません。
この大阪公演の後、5月11日に名古屋公演を行ない、最終日程となる東京公演が行なわれます。
Darker Than Blue 019-022 Osaka 8 May,1985 |
Disc 1
Disc 2
Disc 3
Disc 4
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このアルバムについてのコメントはしばらくお待ちください。
Darker Than Blue 023-026 Osaka 9 May,1985 |
Disc 1
Disc 2
Disc 3
Disc 4
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このアルバムについてのコメントはしばらくお待ちください。
Darker Than Blue 033 tokyo 14 may 1985 |
Disc 1
Disc 2
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このアルバムについてのコメントはしばらくお待ちください
LANGLEY-281 tokyo 15 may 1985 |
disc 1
disc 2
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日本公演の最終日程は東京、日本武道館の四連続公演でした。このCDはその３日目、5月15日の公演を収録したものです。
私が初めて足を運んだリッチーのコンサートが、この武道館の四日間でした。当初13、14、15の三日間が発表されて、そのチケットをとったらすでに懐はすっからかん。追加で出た16日が最終日となるのですが、これは観る事が出来ませんでした。最終日ではギター・クラッシュをやったそうで、この前年の rainbow最終公演と、1995年の再編成 rainbowの代々木二日目を見逃した事と並んで、けっこう悔しい思い出です（笑）
なかなかバランスの良いオーディエンス録音のテープが使用されています。全体的にかなり聴きやすく、楽しめる音源ですが、PAから出ているとおぼしきジージーというノイズがやや気になります。これは、当時見に行った時も感じていて、武道館の初日などは、" strange kind of woman"のコール&レスポンスでかなり酷くなり、途中で演奏を一時中断してしまいました。そのため、この日は" child in time"をギター・ソロまでで演奏を終えています。しかし、初めてリッチーを目の前で観る事が出来た感激は筆舌に尽くし難く、私がこれまで観た中で一番印象に残っているコンサートは、この武道館初日です。
この音源が収録された日は演奏自体は私が観た三日間の中では一番まとまっていたように思います。各曲の導入、曲間の遊びなど、バンドとして勢いに乗っているような感じで、凄く楽しめる演奏です。二日目は" under the gun"のエンディングがややまとまりにかけ、終わったところでリッチーがペイスに向かって「お前のせいだ」と言わんばかりに指を差し、ペイスが怒ってスティックを投げ付けたという場面もありました。……他の日の事ばっかり書いても仕方ないな（笑）。ギランの声も、日本公演はどれも結構声が出ており、聴きづらいものはありませんが、この日も調子は良いと思います。当時は「やっぱり昔にくらべるとあまり……」とか思っていたのですが、アメリカやヨーロッパでの酷い声を聴くと、この日本公演は、ギランの1985年のベスト・バフォーマンスに近いかもしれません。
5月の日本公演を終えた deep purpleは6月からヨーロッパ・ツアーを開始します。
Darker Than Blue 035 tokyo 16 may 1985 |
Disc 1
Disc 2
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このアルバムについてのコメントはしばらくお待ちください。
no number stockholm |
disc 1
disc 2
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ヨーロッパ・ツアーは6月14日から16日にかけて行われたスエーデン、ストックホルムの3連続公演からスタートしました。これは、この3連続公演から、タイトルどおり3日目の16日を収録してリリースされたアナログ盤を復刻したものです。2001年にオフィシャル・ブートレッグ・シリーズの一枚としても、リリースされています。
ボーカルが若干聴こえにくい他はまあまあ満足できるバランスで収録されていますが、演奏自体は出来の良いもの、そうでないもののムラが大きいような気がします。特に序盤にアンサンブルの乱れが気になる個所が多いです。日本公演から若干時間を置いたために、カンが戻り切れていないような感じです。
 no number paris disc 2 7-8 : long beach |
disc 1
disc 2
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このヨーロッパ・ツアーで出回っているライヴCDも、ほとんどがアナログのコピー盤です。これも、音源自体はアナログ盤" under the gun"として出回っていたものです。コピーではないようですが。
このCDはジャケットのクレジットでは7月8日となっていますが、正確には7月9日、パリでのライヴを収録しています。パリでは8日、9日の2日間公演を行なっていますが、2日間ともビデオ・シューティングが行なわれ、9日のほうはTV放映されています。オフィシャルビデオ、" heavy metal pionners"にも一部使用されています。この音源は、そのビデオから音声を落して来たものです。8日のほうの映像は、現在まで公開されていません。
この日のギランの調子は最悪で、ほとんど声が出ていません。おかげで" child in time"はこの日は演奏されなかったか、放送ではカットされたかした様です。この日の聴き物 ( 観物? )は、" under the gun"でしょう。" perfect strangers"アルバム発表のさいのインタビューでも、この曲のソロは気に入っていると言っていたリッチーですが、その言葉どおり、このツアーで聴けるこの曲はどれもなかなかの所を聴かせてくれます。この日のビデオでも、一番プレイ、アクションとも充実していると思います。
最後に収録されている2曲は、アメリカ・ツアー序盤、2月1日のロングビーチ公演を収録しています。こちらはオーディエンス録音で、あまり音質は良くありません。たぶんアナログ盤" purple reign"からのコピーだと思われます。ここには収録されていませんが、この日、リッチーがこのツアーでは全然予定に入っていなかった" woman from tokyo"をやりだします。ギランは歌詞を覚えていなくて、笑ってごまかしてしまい、あまり長く演奏していませんが、これ以降だんだんとセットリストに組み込まれるようになっていきます。
 no number zurich |
disc 1
disc 2
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前段のパリから約1週間後の、スイスでのライヴを収録しています。3枚組のアナログ盤でリリースされていたものをジャケごとコピーしたもので、かなりきついスクラッチノイズがはいります。音質自体は、かなり良好なオーディエンス録音です。もうちょっと臨場感があれば最高なんですが……ちょっとステージが遠い感じです。
ギランの調子も、パリに比べれば良いほうで、再結成 deep purpleの典型的な演奏を展開しています。この頃になると、細かいアドリブがアメリカの頃とかなり違ってきていて、それを聴き分ける楽しみがありますが、ちょっとマニアックかも(^^;)
このヨーロッパ・ツアーのあと、8月には短いアメリカ・ツアーがあったようですが、今の所その音源はアナログ、CDともに存在しません。ツアー終了後、彼らはオフに入ります。
年があけて4月から、ニューアルバムのレコーディングが開始されます。このレコーディングの開始までにギランとグローヴァーはソロアルバムの曲作り、リッチーも rainbowのライヴ・オムニバス" final vinyl"の制作と、各自ソロ活動を行なっていました。
ニューアルバムのレコーディングは、イアン・ギランと他のメンバーとの対立が原因で、かなり難航したようです。結局これがエスカレートし、後にギランは解雇されることになりますが、この時点では、何とかアルバムを完成させ、年があけて1月にはリリースされます。