N-028/29
Arhus 8. August 1980
Disc 1

1. Eyes Of The World
2. Love’s No Friend
3. Since You Been Gone
4. Stargazer
5. Man On The Silver Mountain
6. Catch The Rainbow

Disc 2

1. Lost In Hollywood
2. All Night Long
3. Long Live Rock’n’Roll
4. Kill The King – Long Live Rock’n’Roll

日本ツアー終了後、この年の第1回"Monsters Of Rock"に出演することになったRainbowは、そのリハーサルを兼ねた短期間のツアーを北欧で行なっています。この時期の音源は、CD時代になってから出回るようになってきて、それまでこのグラハム時代では"Monsters Of Rock"でしか演奏されなかったと考えられていた"Stargazer"を演奏していたことが明らかになりました。この北欧ツアーを収録したCDは、どれもタイトルに"On Line"とついています。ライン録音のものは一つもありませんが (笑)、貴重な記録ではあります。

この"Another On Line"は、一連の"On Line"物の中で、2番目にリリースされています。ジャケットを見て、「お、左用ストラトを持って、ジミヘンしてるじゃん ! 」と思ってはいけません。たんなる、裏焼です (笑)。通常とは逆にギターをかまえて撮った写真を、裏焼と勘違いして、こうなってしまったものと思われますが、ヘッドを見ると、字が裏写りになってます。

デンマークでのステージを収録したこの音源はオーディエンスではありますが、タイトルに"On Line"とつけたくなる気持ちがわかるくらい、音質、バランスは良好です。演奏の方もリハーサルを兼ねているとはいえ、タイトに決まっており、グラハムの調子もなかなかです。

このツアーのメインは、やはり"Stargazer"でしょう。コージーはプレイしたかったけれど、リッチーが演奏を拒否していたため1976年以来演奏されていなかったということですが、当時は脱退するコージーに向けたプレゼントみたいな言い方をされていました。果たして真実はどうだったのでしょう。この日は、"Since You Been Gone"からの繋ぎの部分がまだいま一つきれいにまとまっていませんし、サビの部分の演奏ではドンのシンセの音が妙に気持ち悪かったりしますが、全体的にはいい出来だと思います。グラハムの声は、こういった曲にはあまり向いてない気がしますが……

N-021
Malmo 9. August 1980

1. Land Of Hope And Groly
2. Eyes Of The World
3. Love’s No Friend
4. Since You Been Gone
5. Stargazer
6. Man On The Silver Mountain
7. Catch The Rainbow
8. Lost In Hollywood
9. Over The Rainbow

"On Line"物では最初にリリースされた物です。"Another On Line"の翌日、スウェーデンでのコンサートを収録しています。この3公演は当時Rainbowと同じマネージメントに所属していた Touchをサポートとして行われています。 Touchはそのまま、第1回"Monsters Of Rock"のオープニングアクトもつとめています。

"Another On Line"よりも音像が小さい印象を受けますが、良好な音質、バランスだと思います。前日より若干早めのテンポで演奏される"Eyes Of The World"がすごくかっこいいです。"Stargazer"も前日よりタイトになってきています。でも、"Lost In Hollywood"がキーボードソロで終わってしまい、17分程度しか収録されていないのが難点です。しかし、このソロの終わり方が唐突だし、"Over The Rainbow"が流れるまでの観客の様子などを聴いていると、何らかの機材のトラブルがあって、ここでステージを中断したとも思えます。"Rainbow Rising"によればこの日は野外ステージだったそうで、最後にドンが弾いているのが"Singing In The Rain"であることから、突然の豪雨でもあったのかな、と邪推しますが……

N-038/39
Alborg 10. August 1980
Disc 1

1. Eyes Of The World
2. Love’s No Friend
3. Since You Been Gone
4. Stargazer
5. Man On The Silver Mountain
6. Catch The Rainbow

Disc 2

1. Lost In Hollywood
2. All Night Long
3. Long Live Rock’n’Roll
4. Kill The King – Long Live Rock’n’Roll

"On Line"シリーズ (?) 最終作です。なぜかTシャツつきでリリースされました。前日と同じ、スウェーデンでのステージを収録していますが、3枚の中では一番音質は落ちます。ステージがかなり遠い様で、音像がボヤけてしまっています。会場のホールエコーは臨場感たっぷりですし、バランスも良好ではありますが、他の2枚と比べると、どうしても1ランクは落ちているといわざるをえません。3日続けてのコンサートで、さすがにグラハムに疲れが見えていますが、全体の演奏は一番出来がいいです。

この北欧でのウォーム・アップ・ツアーの後、いよいよコージーのラスト・ステージ、"Monsters Of Rock"に突入します (結果的には、グラハムのラスト・ステージにもなりました)。

CS-19
Donnington 15. August 1980

1. Sound Check
2. Over The Rainbow
3. Eyes Of The World
4. Love’s No Friend
5. Weiss Heim
6. Over The Rainbow – Stargazer
7. Keyboard Play
8. Lost In Hollywood
9. Difficult To Cure
10. Cozy Play 1812 Overture
11. Stargazer

グラハム時代のラストコンサート、"Monsters Of Rock"のリハーサルを収録したCDです。1979年頃からイギリスで復権してきたヘヴィ・メタル、いわゆる"Nwobhm"の台頭により、ヘヴィ・メタル中心のフェスティバルとして企画された"Monsters Of Rock"の第1回のメイン・アクトとして出演したRainbowは、このステージ限りでコージーが脱退する事になっていました。ニュー・アルバム・レコーディング中にグラハムも脱退してしまうので、結果的にグラハム時代のラストコンサートとなります。これは、その前日のリハーサルをオーディエンス録音で収録しています。

若干音が遠い感じですが、まあまあの音質で収録されています。最初の15分に及ぶ"Sound Check"は、正直言って退屈になる部分もありますが、リッチーの普段の手癖などが感じられる場面もあり、マニアには嬉しいところです。

"Sound Check"以降は、一応ちゃんと曲として演奏していますが、リハーサルですから、各メンバーともプレイしない個所もあったりして、本番のようなテンションを期待すると肩透かしを食います。リハーサルならではのプレイとして、"Weiss Heim"があげられます。"Since You Been Gone"の導入でプレイされる、「ブランデンブルグ協奏曲」をやった後のフリーソロになるべき部分でこの曲をプレイしているのですが、ライヴで聴けるのはこの日のみです。"Sound Checkの時にも少しプレイしているので、このパターンで演奏するアイデアがあったのかもしれません。当時の話として、リハーサル時にダイナマイトを使用してPaシステムの大半が吹っ飛んでしまったというのが伝わっていますが、その場面はここには収録されていないようです。

この次の日になる本番ももちろんライヴCDとして出回っていますが、私は持っていません (笑)。必聴の音源ではありますが、すでに持っているアナログと同じオーディエンス音源なので、「いずれそのうち…」とは思ってはいるのですが……もしかしたらライン収録のものが出るかもしれないしね (^^)。オフィシャルで3曲、"Stargazer"、"All Night Long"、"Since You Been Gone"を聴くことが出来ますが、どこかからコンプリートでこの音源、映像を出して欲しいものです。

WLG-8880-1/2

外箱
Donnington 16. August 1980
Disc 2 11-17 Donnington 15. August 1980 (Reheasal)
Disc 1

1. Countdown
2. Eyes Of The World
3. Love’s No Friend
4. Greensleeves – Since You Been Gone
5. Over The Rainbow
6. Stargazer
7. Man On The Silver Mountain
8. Catch The Rainbow
9. Don Airey Keyboard Solo 1
10. Lost In Hollywood – A Light In The Black – Difficult To Cure
11. Don Airey Keyboard Solo 2

Disc 2

1. Cozy Powell Dr. Solo – 1812
2. Lost In Hollywood (Reprise)
3. Ritchie Solo – Lazy
4. All Night Long
5. Ritchie’s Blues
6. Will You Still Love Me Tomorrow
7. Long Live Rock’n’Roll
8. Kill The King
9. Long Live Rock’n’Roll (Reprise)
10. Over The Rainbow
11. Over The Rainbow
12. Eyes Of The World
13. Love’s No Friend
14. Greensleeves – Over The Rainbow
15. Stargazer
16. Lost In Hollywood
17. Cozy Powell Dr. Solo

うえの"Monster Castle"の項で「持っていない」と書いた、8月16日のコンサート当日の音源です。中古で思いもかけない安価で入手できたので、掲載しました。この日のステージは、アナログで3種類、CDではこれを含めて4種類リリースされています。最新リリースであるこのCDを除いて、全て同じオーディエンス音源からの収録になっています。CDではタイトルも統一されていて、アナログ盤のジャケットに出ている文字、"The End Of A Rainbow"になっています。しかし、もともとのアナログ盤のタイトルは背張りにクレジットされている"Rockin’ The Castle Donington"で、通称が"The End Of A Rainbow"でした。

このCDは、先にリリースされていたアナログ・CDで使用されていたオーディエンス音源に、今までオフィシャル・リリースされた音源やプライヴェート・ビデオなどで出回っているライン収録の部分をつなぎ合わせ、"Monster Castle"に収録されていた前日のリハーサルから抜粋して収録した構成になっています。

ライン音源をつなぎ合わせた収穫として、オーディエンス録音ではカットがあった"Catch The Rainbow"が一応コンプリートで聞ける様になりました。しかし、つなぎの部分が露骨だったり、つないだ前後でピッチが異なっていたりするので、コンサートのトータルな雰囲気は、逆に味わいにくくなっています。この編集行程の分だけ、テープのゼネレーションも落ちており、オリジナルのアナログに比べても聴き易くなっているとは、いえません。現在この日のステージを体験するのならば、オーディエンス録音のみで構成されているほかのCDを聴くほうがいいと思います。

いろいろな形で出てきているライン音源をつないでみたら……という、この日のステージに関してマニアなら誰でも一度は考えたであろうことを実際にやってしまった企画力や編集に要した手間暇はかいますが、いま一つツメが甘いというか、ていねいな仕事をして欲しかったところです。ジャケットはこのレーベルならではの豪華な仕様であるだけに、中身の中途半端さが残念でした。

編集内容には不満もありますが、この日の演奏は必聴の価値は十分あります。北欧のリハーサル・ツアーの成果である"Stargazer"は名演ですし、コージーの最後のドラム・ソロでグラハムがコージーの名前を連呼する場面はすでに歴史の一部になっている感があります。アンコールのギター・クラッシュでは久々にアンプの炎上もあり、燃焼し尽くしたRainbowのパフォーマンスが味わえます。ただ、オーディエンス録音の部分で、ジェット機の飛行音がわずらわしい部分があります。アナログの頃からこれは有名です。やっぱりオフィシャルの完全盤が出て欲しいなぁ……

この年の後半は、ニューアルバムのレコーディングが行なわれますが、このレコーディングの最中にグラハムからジョー・リン・ターナーへとヴォーカルの交代があります。