Bondage BON 351/352
Freiburg 18 November 1982
Disc 1
- Over The Rainbow
- Spotlight Kid
- Miss Mistreated
- I Surrender
- Blues
- Can’t Happen Here
- Tearin’ Out My Heart
- Woman From Tokyo –
- – Lazy –
- – All Night Long
- Child In Time – Stone Cold
Disc 2
- Power
- Difficult To Cure
- Bass Solo
- Keyboards Solo
- Difficult To Cure (Reprise)
- Drums Solo
- Long Live Rock’n’Roll
- Hey Joe
- Long Live Rock’n’Roll (Reprise)
- Maybe Next Time
- Since You Been Gone
- Man On The Silver Mountain
- Over The Rainbow
来日公演終了後、わずか一週間をおいて10月29日から始まったヨーロッパ・ツアー、中盤のドイツ公演から、11月18日に行なわれたステージを、サウンドボードで収録した二枚組アルバムになります。このツアーはGirlschoolをサポートに主にドイツ国内をまわるスケジュールになっており、ボブ・ロンディネリの最後のツアーになりました。
このヨーロッパ・ツアー、音源がないわけではないのですが、なぜかプレスCDでリリースされることが極端に少なく、今までだと[Coloured Rainbow]に、不完全な長さで11月6日のストックホルム公演がアナログ盤からの盤起こしで収録されていたものが唯一となっています。このCDは1982年ヨーロッパ・ツアーをマトモに収録した、初めてのライヴCDといっても良いでしょう。
いちおうサウンドボード音源となっていますが、"Miss Mistreated"あたりまでの音質は、ハッキリ言ってあまり上等なものではありません。これはテープの状態なのか、当日のPA機材の状態なのか、よくわからないのがイタいですが、フランジングがかかったような音で大変聴きにくいです。途中、"I Surrender"がオーディエンス・ソースで補われていますが、この後、"Blues"からは、かなり状態が改善され、"Tearin’ Out My Heart"あたりから、サウンドボードという言葉にふさわしい音像が聴けるようになります。多少の音とびはありますが、バランスもこのあたりから良くなって来る感じ。演奏そのものも、音質が良くなってくるにつれて、内容も充実してくるように思います。
オーディエンス・ソースで補完されている"I Surrender"が、サウンドボードでどうなっていたのか、興味がわくところですが、もし序盤の音質が機材がらみだとすると、この間に思いきった調整でもしたために、テープが止まったとも考えられるかなーとか、いろいろと邪推出来て、楽しいテープではあります。ただし、しゅわしゅわ感がまったく気にならなくなるかというと、そういうわけでもないので、あまり期待し過ぎるとヤケドするかも。
"I Surrender"以外でオーディエンス音源が使われている部分は、全てS.E.テープが再生される部分であるところもポイント（"Over The Rainbow"と"Maybe Next Time"）。S.E.テープを再生するデッキで、同時に録音もしていたのではなかろーかなどと、ここでも邪推ポイントがあるとゆーことで、やっぱ楽しいテープですね（笑）
肝心の内容はと言えば、Rainbowにしてはシブいというか、ハッキリ言っちゃうと盛り上がりに欠ける構成の（へ、偏見でしょーか(^^;;）この年のツアーですから、聴いていてツラい部分もあるわけで。特に序盤のジョーのパフォーマンスはツラい（汗）。お薦めはトラック4まではとばして、5の"Blues"あたりから聴くこと。これならば、かなり好印象の残るライヴであると思います。"Blues"の位置が面白かったり、ロジャーのベース・ソロが普段と違う雰囲気だったり、アンコールで"Smoke On The Water"が無い代わりに、この年では珍しい"Man On The Silver Mountain"が聴けたりするのもお楽しみポイントとしていいでしょう。手放しですげぇとは言えないけれど、それなりに楽しめるCDです。なによりも、1982年のヨーロッパ・ツアー、現時点で唯一のマトモなライヴCDというポジションは、しばらくは貴重かなと思います。